「統合失調症」という病気の名前を聞いたことはありますか?
病名は知っていても実際どんな病気なのか?
知らない方も多いのでないでしょうか。
統合失調症は、100人に一人が発症するとも言われている身近な病気です。
しかし、なぜ統合失調症は起こり、どのような経過をたどるのか?
知っているようで、実はあまり知られていないのが統合失調症です。
「統合失調症ってどんな病気?」では、統合失調症の全体図から、症状、治療などについて詳しく解説していきます。
第26回は、「社会復帰のための療法」の続き、「家族ができる復帰へのサポート」についてみていきます。
目次
家族ができる復帰へのサポート
患者さんへ接し方と生活管理
統合失調症の回復には家族のサポートが欠かせません。
そこで、患者さんの回復を促すために家族が心がけたいポイントを2つご紹介します。
【1】批判的になりすぎない
特に急性期の直後は激しい陽性症状によって消費したエネルギーを蓄えることが必要です。
はた目には1日中ぼんやりしたり、ダラダラゴロゴロして過ごしているように見えるかもしれませんが、この時期には十分な休息が必要なのです。
「努力が足りない」
などと責めてはいけません。
家族にとっては、もどかしく、イライラすることもあるでしょうが、病気による活動性の低下なのっだと理解するようにしましょう。
【心がけること】
- 活動性が低下しているのは病気のせいだと理解する
- 回復を焦ったり高望みをしたりしない
- リハビリは患者さんのペースに合わせてゆっくり一歩ずつ
- 患者さんとの対立はできるだけ避ける
【2】過保護になりすぎない
患者さんおことを思うあまり、あれこれ手を貸し過ぎるのもよくありません。
身の回りのことに関しては、自分で出来ることは自分でするようにしてもらうことでリハビリにもなります。
身の回りのこと以外にも、無理のない範囲で家事を手伝ってもらうなど、家族の中で患者さんに「役割」を分担してもらうのもいいでしょう。
うまくできるようになるには時間がかかりますが、家族が患者さんを見守り、どうしてもできないことがあったら手助けするようにしましょう。
また、統合失調症の患者さんは、昼夜逆転の生活になっていたり、食事が不規則になっていたりと、生活リズムが乱れがちです。
自分で服薬を管理するのが難しい場合もるため、家族が風薬を促したり、規則正しい生活リズムを取り戻すよう援助していくことも大切です。
【心がけること】
- 自分で出来ることは自分でやってもらう
- 家事を手伝ってもらうなど、役割を与える
- 時間がかかっても手を貸すのではなくできるだけ見守るようにする
- どうしてもできないことがあれば手助けする
次回、「療養生活をサポートする訪問看護」へ続く